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『亡国のイージス』

Introduction

20世紀末に出された問いかけに、今、我々はどんな結論を出すのか?

今、この国の未来に不安を抱かぬ者は一人としていないだろう。
未曾有の経済的発展を享受しながら、理想も持たず、国家としての責任能力も自覚せぬまま世界進出を遂げた日本。
バブル崩壊が経済を袋小路へと迷い込ませたとき、そこに我々が誇るべきものは何ひとつとして残らなかった。

「イージス」とはギリシャ神話に登場する最高神ゼウスが娘アテナに与えた、あらゆる邪悪を払う「無敵の盾」のこと。
同時に、最新鋭の防空システムを搭載し、専守防衛の象徴ともいえる海上自衛隊の護衛艦をも指し示す。
だが、語るべき未来も見えず、守るべき国家の顔さえも失った「亡国の盾」に果たして意味などあるのか。
この国に生きる者すべてに関わりながら、その誰もが真剣に考えることを避けてきたテーマを、第一級のエンターテイメントへ昇華させた福井晴敏の原作は、それゆえ日本推理作家協会賞・日本冒険小説協会大賞・大藪春彦賞の3賞を制覇、58万部を超えるベストセラーとなった。
政府・防衛庁・警察・国際社会を巻き込むダイナミックな展開、洋上のイージス艦を舞台にした前代未聞のアクションなど、そのスケールの壮大さから日本では映像化絶対不可能と思われていた原作が、ついに実現へと動き出す。
世紀末の問いかけに、21世紀を迎えた今だからこそ、我々は答えを出さなければならない。
2005年夏、その答えの序章が始まる。

Story

海上自衛隊の誇る最新のシステム護衛艦《いそかぜ》が、テロリストに乗っ取られた。
鉄壁の防空網ミニ・イージス・システムを誇る《いそかぜ》と特殊兵器GUSOH(グソー)を武器に、
1千万都民の命を人質に取り、自分達の要求を日本政府に突きつける叛乱者達。
戦後最大の未曾有の危機に直面し、戦争を忘れた日本が亡国の淵に立たされたその時–
絶望の海に残された最後の希望は、不器用な男たちの”生きる意志”と必死の抵抗だった…!

ただ愚直に、艦とともに人生を過ごしてきた男。
暗い過去を背負い、過酷な宿命を受け入れざるを得なかった青年。
大切な者を奪われ、復讐の鬼と化した父親。
交わるはずのなかったいくつもの人生が、運命の海で銃火とともに交錯する。
その果てに、人々は何を思い、何を見るのか?
全ての日本人に覚醒を促し、魂の航路へと誘う海洋スペクタクル、今ここに始まる!

Cast

真田広之 寺尾聰 佐藤浩市
中井貴一 勝地涼 チェ・ミンソ

Staff

製作: 坂上直行 久松猛朗 千野毅彦 住田良能
企画: 小滝祥平 遠谷信幸
エグゼクティブ・プロデューサー: 伊達寛 川城和実 高野力 北川淳一
プロデューサー: 佐倉寛二郎 古川一博 河野聡 伊東森人 椎井友紀子
アソシエイトプロデューサー: 加藤悦弘 森谷晁育 井川浩哉 鈴木 尚 内藤和也
原作: 福井晴敏(「亡国のイージス」講談社刊)
脚本: 長谷川康夫 飯田健三郎
音楽: トレヴァー・ジョーンズ
撮影: 笠松則通
録音: 橋本文雄 阿部茂
美術: 原田満生
編集: ウィリアム・アンダーソン
監督: 阪本順治
製作年: 2005年
製作国: 日本
製作: 日本ヘラルド映画、松竹、電通、バンダイビジュアル、ジェネオンエンタテインメント、MAGICA、TOKYO FM、産経新聞社、デスティニー
協力:

2005年製作/127分/日本
配給:日本ヘラルド映画、松竹

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