『アダミアニ 祈りの谷』
Introduction
テロリストの烙印を押された谷
人口7000の小さな谷が世界の注目を集めるようになったのは、第二次チェチェン紛争の時だった。
1999年、当時首相だったプーチンによってチェチェンへ大規模攻撃が開始されると、難民や独立派ゲリラは国境を接したジョージアのパンキシ渓谷を目指した。
ジョージア政府は治安維持ができず、無法地帯と化した谷には独立派勢力を支援するアラブからのムジャヒディンや、麻薬や武器密売を請け負うマフィアまでが潜伏した。
Story
東ジョージアの山岳地帯、パンキシ渓谷。レイラはチェチェン紛争で難民となり、シリア内戦で二人の息子を失った。息子たちの死後、彼女は美しい庭を作り、娘のマリアム、両親とともにゲストハウスを始める。いとこのアボは、レイラの元を訪ねる旅行者をコーカサスの山々へと案内するガイド。戦士の一族に生まれ、戦争の重いトラウマに苛まれていた。やがて二人は、戦争で荒廃し、谷に残された負のイメージを払拭するため、ポーランドからきたバルバラと旅行会社を作ることになる。だがある日、テロ容疑でパンキシ渓谷の青年が殺害され、新たな分断が生まれてしまう…
Cast
レイラ・アチシビリ
パンキシ渓谷でゲストハウスを営むキスト女性。1985 年、結婚を機に チェチェンの首都グロズヌイに移住し、二人の子どもハムザトとハリドを授かる。1994年、チェチェン紛争が勃発すると、自宅が破壊され難民となって子どもたちとパンキシ渓谷へ帰郷した。2001年、谷の治安悪化の影響で、ヨーロッパで難民生活をおくる前夫の元に息子たちを移住させる。その後ジョージア人と再婚し、一人娘マリアムをもうけた。現在夫とは別れ、マリアム、両親と暮らす。
マリアム・ケバゼ
レイラの一人娘でパンキシ渓谷では珍しいジョージア正教徒。13歳まで父と過ごし、その後、パンキシ渓谷に引っ越し、レイラとともに暮らす。 英語やアラブ語教室に通い、ゲストハウスを訪れる外国人の通訳としてレイラを手助けしている。詩の創作とバレーボールが好き。
アボ・アチシビリ
レイラの従兄弟で、10代の頃からチェチェン紛争を戦った戦士。トレーニング好きで、家や公園でいつも体を鍛えている。若いキストからの人望も厚く、「パンキシのオオカミ」と呼ばれる。見た目に反し、寡黙で心優しく、犬好きな一面を持つ。
バルバラ・コンコレフスカ
パンキシ渓谷を旅行者として訪れ、手付かずの自然とキスト文化に惚れ込んだポーランド人女性。2男1女の母。ポーランド南部の山岳地域ブジェギ村出身て、実家がゲストハウスを運営している。2017年にアボとツアー会社Caucasus X-Trek Pankisiを設立。
Staff
監督・撮影・編集
Hirotoshi Takeoka
竹岡寛俊
1984年、大阪生まれ。2010年にジョージアのパンキシ渓谷に住むチェチェン系ジョージア人、キストの人々に出会いドキュメンタリー制作を始める。2014年、キストの暮らしを追ったドキュメンタリー番組でATP賞優秀新人賞。2019年、シリアで息子を失った母たちの姿を追った番組でATP賞ドキュメンタリー部門最優秀賞を受賞。“アダミアニ祈りの谷”が初の長編映画となる。
編集
Herbert Hunger
オーストリア出身。イギリスのNational Film & Television Schoolを卒業後、英BBC・米HBOでドキュメンタリーを中心に、編集に携わる。2014年より、長年の夢だった日本での生活を始め、NHK、WOWOWなどで、日本の映像クリエーターたちとの作品制作に精力的に取り組んでいる。映画編集作品は、松井至監督「私だけ聴こえる」など。
音楽
Julien Marchal
1985年生まれのフランス人作曲家/ピアニスト。ボルドー音楽学校でジャズと現代音楽を学ぶ。アルヴォ・ペルト、フィリップ・グラス、ヘンリク・グレツキといったミニマリズムの作曲家に影響を受けた。2015年には繊細なソロ・ピアノ作品『Insight』をデジタル・リリース。2016年にリリースした『Insight II』がロングセラーを記録した。
共同プロデューサー
Jia Zhao
アムステルダムを拠点とする中国人プロデューサー。2012年にMUYI FILMとSILK ROAD FILM SALONを設立し、文化の違いを受け入れ、人間の生命を尊重する国際的なドキュメンタリー映画を製作することを使命としている。フランク・シェファー監督『Inner Landscape』(2019年、IFFRVoices)、アブーザル・アミン監督『Kabul,City in the Wind』(オープニング作品IDFA2018、コンペティション審査員特別賞)、ショーン・ワン監督『Lady of the Harbour』(IDFA2017)など。
【第62回クラクフ国際映画祭】
ポーランドのクラクフ国際映画祭で《国際批評家連盟賞 The FIPRESCI (International Federation of Film Critics) 》を受賞。
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